日本人が予防医療に目を向けない理由は?

こんにちわ。薬剤師OLです。

病気は歳をとってからなるものだ、と思っていませんか?

決してそんなことはなく小児に多く発症するがん腫もあるし、年齢、生活習慣、遺伝、ストレス、様々なことが要因となり病気になります。

私は仕事と通じていつ自分が大病をしてもおかしくないと感じているし実際にその可能性もあります。

しかし、わりと周りの人は病気は自分と関係ないものだと思っていて、自分の身体にあまりにも無関心、という印象があります。

早期発見で治癒の確立があがるのに何故検診に行かないの?

ピロリ菌陽性なのに何故放っておいているの…?

日本人は予防医療にあまりにも無頓着だな、と思います。心配しすぎるのも良くないけれど、後々後悔するのはもっと嫌です。大切な人が悲しむのも、大切な人を失うのももっと嫌です。出来たことがあったのにと悔やみたくない。

日本人はなぜこんなにも予防医療に目を向けないのでしょうか。

薬剤師OL

日本とアメリカの医療保険の違い

日本の皆保険制度

日本の皆保険制度

日本は国民皆保険のため国民全員健康保険に加入することが義務付けられています。

そして入院、外来、薬剤費とも公的保険の対象となり、患者自身が自分で自由に病院や医師を選ぶことができます。

患者はかかった医療費の一部の自己負担分のみを支払い、また月ごとの高額負担を軽減する「高額療養費制度」もあり、比較的安価に医療を受けることができます。経済的な負担からも予防医療について真剣に考える場面が少ないように思います。

アメリカの保険制度

アメリカの保険制度

一方、アメリカは健康保険制度がなく、公的医療保険は高齢者や低所得者が対象です。そのため、その他の人は必要に応じ保険会社が販売している民間の医療保険に加入していますが、無保険の人も約一割程度いるといわれています。

公的医療保険は給付の範囲に制限がある(歯科は対象外、外来、薬剤は任意加入等)。また、民間の保険では受診できる病院が決められていることが多く保健会社が「必要」と認めない医療は全額自己負担となります。

そのため、アメリカ人にとって家計に占める保険料、医療費の比率は高く、病気をしなければ翌年から保険料が下がり、また医療費もかからなくなるという経済的なメリットが大きく、病気にならないことを真剣に考えるという風潮があります。

アメリカのヘルシーピープル制度

アメリカでは1900年代後半から生活習慣病(当時の成人病)が国としての深刻な問題となり、1979 年、米国保健福祉局(HHS)が中心となり、乳児、子ども、未成年、成人、高齢者の5つのライフステージ別に目標を設定した「ヘルシーピープル」が公表されました。

健康に対する目標値を国が国民に対して明示することでアメリカに「予防医療」という概念が深く根付いています。

医療を受ける側だけでなく、医療を行う側も「病気を治すこと」と同じくらい「病気を予防すること」に力を注いでいるのです。

日本の保険診療では予防がカバーされていない?

日本の医療保険制度のもとでは保険が適応されるのが「診断」と「治療」にほぼ限定されており、検診や予防については自費となることがほとんど。現状はそうですが、大病にかかり長期的に治療をするより、検診にお金をかけまずは病気を未然に防ぐことの方がよほどメリットがあると私は思うのです。

日本の医療経済のパンク

また、医療の発展と共に次々に新薬や新しい治療が開発されていますが、開発にはお金がかさみます。開発にお金がかかった分だけ薬価(お薬の値段)も高くなり、日本における医療費は右肩上がりで、どんどんと膨れ上がってきています。

このままでは医療経済はパンクしてしまします。ましては予防医療の拡大は期待できないでしょう。

11人が病気にならないよう予防することを意識することで、風邪のようなものから、長期的に治療が必要な病気まで減らしていくことが出来き、医療費削減にもつながる、また新たな予防医療の普及へとつながっていくのではないでしょうか。

予防医療に目を向けないと、本当に怖いこと

何気なく健診を受けない人に理由を聞いてみると「検査で悪い病気が見つかったら怖いから…」という人がいます。

いやいや!病気が見つかるのが遅れて手遅れになる方がよほど怖いから!と私は思います。

薬剤師OL

医療は自由です。自由だからこそ、自分で情報を入手し、選択しなければいけない、賢くならなければいけない、と私は思います。

今の時代、情報弱者が損をします。

予防できる癌
  • だいぶ認識が高まってきましたが胃がんの99%はピロリ菌が原因です。
  • 子宮頸がんは婦人科健診でがんの前段階で発見でき、大半が食い止めることが可能です。

情報弱者にならないでください!

少しでも予防医療が広がり、病気が防げる時代になると良いなと私は願います。

まずは、健診に行っていない人は健診に行くことからおすすめします。

薬剤師OL

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